市街化調整区域内ののどかな風景。
周辺は畑が多くゆったりとした時間が流れる環境。
「森の中で寝転がっているような気持ちのいい家」
とご希望されたクライアントのための木の家。
たくさんのご要望を受け止め、
再整理し、
優先度の解釈、
ほしいもの、あとでいいもの、
インテリアのイメージ、
家族の風景、
暮らしの風景。
多くの時間を共有してできた木の家です。
こだわりのひとつに大きな窓のご要望。
1間の幅をオープンにできる窓がふたつあるリビング。
引き分けられるように設置したので、
リビングからは、窓の存在を消しながら、
外部空間の庭と一体化できる関係。
内と外の関係は、ウッドデッキがゆるく繋いでくれる。
前面道路を行き交う車や人が気にならない環境を
読み解いておくこともとても大事。
リビング前の軒下ウッドデッキに干し柿や野菜を吊したり、
庭木のブルーベリーを摘んだりできる軒下空間。
深呼吸して柔軟体操。
ぐーっと体を伸ばして気持ちをリセット。
畑仕事のお茶休憩に、
日向ぼっこしたり、おしゃべりを楽しんだり。
昆虫見つけたり、新緑やお花、野菜の収穫。
夏にはスイカと花火かな。蚊取り線香つけながら。
フリーな時間を大切にする場所。
キッチン近くのワークスペース。
パソコン、ミシン、仕事に必要な道具や書類。
書斎のような個室ではないオープンなスタイル。
小さな子供たちがしていることを見守れるような環境で。
学校の宿題を見てあげられるような場所で。
お料理しながらも全体が把握できるような関係性で。
納戸とかクローゼットとか、プランニングにはとても大事な検討事項のひとつ。
使い勝手も同時に考えておきたいです。
例えば、仕事や学校へ行く時の持ち物、カバンとか帽子とか上着とか。
朝のドタバタ時間に、あっ忘れ物!ありますよね。
2階まで取りに行くこともあるわけですが、
玄関手前の動線上にあったら使い勝手がとても良い。
各家庭で違う優先事項。
こうでなきゃいけないことって皆それぞれです。
だからこそ一日の流れをイメージし、クライアントと設計者のその共有はとても大事。
2階の東窓から差し込む朝陽。
吹き抜けを通り抜け、建物奥まで差し込む朝陽。
朝陽を感じながらの朝ご飯。
2階寝室から見える風景。
2階寝室は、吹き抜けを挟んで南の庭や前面道路を望むことができる関係。
就寝時、つまり、寝転がると道路が見えないちょうどいい高さになる。
そこは空中に浮いたような景色が広がる。朝起きた時に広がる風景。
ゆとりのある土地のため、ぐるぐる回れる建物廻り。
小さな子供たちにとってはそこは遊びのスペース。
建物廻りをぐるぐる回る。
楽しそうに自転車でぐるぐると回る。
大きな窓の前を笑顔で通り過ぎたり、道中つまづくことだって時にはあるし、待ってほしいのに先に行っちゃうお姉ちゃん。
一周回ってきたら今度はグズる時だって。
それでもぐるぐるは続くのです。
お姉ちゃんの後を追いたいから。
そんな一風景をリビングから。
まるで窓が舞台みたいな感じです⭐︎
屋根付きの縁側(ウッドデッキ)。
建物の正面につくった縁側。
前面道路から玄関までのアプローチで必ず目にする場所。
屋根付きのため、雨を受ける「樋」にも気配りです。
ご縁あって、鎖樋を使ってみました。
縁側の木部や植栽との相性もとてもいい。
高いデザイン性ですが、とてもシンプルな形状だからこそ、
自然な素材と風景がなじむ。
ひとつひとつの風景が大切な暮らし。